哲学用語辞典おすすめ3選|初心者向け・語源・本格派を比較

哲学の名著の数々をざっくり理解したい人にオススメの解説書

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哲学用語辞典の選び方【先に結論】

初めての一冊には『すっきりわかる!超訳「哲学用語」事典』がおすすめです。用語同士のつながりまで学ぶなら『語源から哲学がわかる事典』、専門的な調査に使うなら『岩波 哲学・思想事典』を選ぶとよいでしょう。

向いている人難易度使い方
超訳「哲学用語」事典初めて哲学用語を調べる人やさしい分からない言葉を短時間で確認する
語源から哲学がわかる事典言葉の背景や歴史も学びたい人やさしい~標準古代から近代まで順に読み、用語のつながりを知る
岩波 哲学・思想事典専攻・研究などで詳しく調べる人本格的必要な項目を引き、関連領域まで確認する
哲学用語辞典3冊の選び分け

哲学用語辞典を使う順番

  1. 哲学の入門書を読みながら、理解を妨げる用語だけを初心者向け事典で引く
  2. 一つの用語を「意味・哲学者・問題意識」の3点でメモする
  3. 語源から学べる本を通読し、時代をまたいだ用語のつながりをつかむ
  4. さらに詳しい確認が必要になった段階で、本格的な事典を必要な項目だけ引く

最初から大部の事典を通読する必要はありません。読む本と目的に合わせて、調べるための一冊と、理解をつなげるための一冊を使い分けるのが効率的です。

哲学用語はほんとうはむずかしくない

「アルケー」「ロゴス」「イデア」「定言命法」「弁証法」「エポケー」「現存在」「エピステーメー」……など、西洋哲学や現代思想には、初学者にはチンプンカンプンな用語が頻出する。

哲学の原典(翻訳)はもちろん、入門書や解説書でも、こうした哲学独特の用語がよく出てくる。

そのため、たいていの人は、こうした用語を目にするだけで〝哲学はむずかしい!〟と感じ、なかには哲学を敬遠するようになる人もいる。

哲学用語が難しく感じられる理由の一つは、明治期以降に西洋語を漢語へ翻訳し、日常では使わない専門語として定着したことにある。

ただし、訳語にはそれぞれ成立した背景がある。言葉をやさしく言い換えるだけでなく、どの哲学者が、どんな問題を考えるために使ったのかを知ることが大切だ。

用語だけを切り離して暗記しようとすると難しく感じるが、語源、使った哲学者、問題になった背景をセットで確認すると理解しやすくなる。

哲学用語の原語には、英語の reason や understanding のように日常でも使われる言葉がある。ただし、哲学では時代や哲学者によって専門的な意味が加わるため、日本語訳だけでなく語源と文脈を確認するとよい。

最近、日本でも、やっと、哲学用語を誰にでもわかる言葉に置き換えたり、〝翻訳〟したりしようとする動きが加速してきた。

この動きが進んでいけば、哲学がもっと身近になり、哲学のおもしろさに気づき、自分の頭で考えようとする人が増えるのではないだろうか。

ということで、むずかしい哲学用語(の意味)を理解しやすく解き明かし、一般の人たちにも哲学を広めていこうと努める事典を紹介しよう。

初心者向けのおすすめ哲学用語辞典3選

『すっきりわかる!超訳「哲学用語」事典』

向いている人:哲学を学び始めたばかりで、専門語を手早く確認したい人
難易度:やさしい
選ぶ理由:古代から現代までの重要語を簡潔に説明し、関連する哲学者や思想も一緒に確認できる

本書『すっきりわかる!超訳「哲学用語」事典』は、前の記事で紹介した『すっきりわかる!超解「哲学名著」事典』の姉妹書である。

著者は、『世界一わかりやすい哲学の授業』『世界のエリートが学んでいる教養としての哲学』といった入門書を数多く著している哲学者の小川仁志氏である。

小川仁志氏は、哲学を数多くの人びとに広めようと努めている第一人者である。

その小川仁志氏の手腕が存分に発揮された哲学用語の事典が、本書『すっきりわかる!超訳「哲学用語」事典』だ。

収録されている哲学用語は、「アルケー」「プシュケー」といった古代哲学の用語から「脱構築」「アフォーダンス」など現代思想の用語にいたるまで、150語にのぼる。

1つ1つの哲学用語の解説は、大づかみだけれども、そのぶん簡潔でとてもわかりやすい。

中学生でも充分に理解可能だ。

それでいて、その用語の意味だけでなく、関連する哲学者の思想や周辺事項の知識も得ることができる。

哲学初学者の必携書ナンバーワンである。

『語源から哲学がわかる事典』

向いている人:用語の訳だけでなく、言葉が生まれた背景と哲学史の流れも知りたい人
難易度:やさしい~標準
選ぶ理由:語源と問題意識をたどりながら読み進められ、巻末の用語集で後から引き直せる

本書『語源から哲学がわかる事典』の著者は、『認知哲学』『人間科学の哲学』といった著作がある哲学者の山口裕之氏である。

基本語の意味と語源だけでなく、その言葉が必要になった問題意識や文脈を、できるだけ日常的な日本語で説明しているのが特徴だ。

特に充実しているのは、古代ギリシア哲学のパルメニデスから近代哲学のデカルトにかけてである。

哲学用語の本来の意味がわかってくると、それにつれて西洋哲学の全体像もおもしろいように見えてくる。

いわゆる〝哲学用語事典〟とは異なるが、巻末に収録された簡単な解説がついた用語集が、用語事典の役割を果たしている。

〝入門書を読んでも哲学がどういうものかよくわからなかった〟という人にこそ読んでいただきたい。

『岩波 哲学・思想事典』

向いている人:大学での学習や研究などで、哲学と周辺分野を詳しく調べたい人
難易度:本格的
選ぶ理由:哲学・思想に加え、社会・科学・宗教・芸術などの関連領域まで幅広く確認できる

本書『岩波 哲学・思想事典』は、1998年の出版と古く、むずかしい言い回しも多い。

しかし、いまだ日本でもっとも質量ともに充実した哲学用語事典である。

収録されている用語は4000を超えるが、哲学・思想関連の用語のみならず、社会思想、科学思想、宗教思想、芸術理論、文学理論といった関連領域の用語や、西洋以外のインド、中国、朝鮮、日本、イスラームの思想の用語も収められている。

また、近現代に関する用語ほど、解説が行き届いているのも特徴だ。

著名な哲学書に関する解説は、文献解題として読める。

いたれりつくせりである。

新品・中古とも価格や在庫が変わりやすい。専門的な調査で継続利用する人は購入を検討し、まず内容を確かめたい人は大学や自治体の図書館で利用するとよい。

よくある質問

哲学初心者に一番おすすめの用語辞典はどれですか?

重要語を短く分かりやすく確認できる『すっきりわかる!超訳「哲学用語」事典』がおすすめです。入門書の横に置き、分からない言葉が出たときに引く使い方が向いています。

哲学用語辞典と哲学入門書は、どちらから読むべきですか?

まず入門書を読み、理解を妨げる用語だけを事典で調べるのがおすすめです。事典は最初から最後まで読むものと決めず、入門書を助ける道具として使うと続けやすくなります。

最初から本格的な哲学事典を買う必要はありますか?

通常は必要ありません。まず初心者向けの一冊を使い、専門的なレポートや研究で詳しい項目が必要になったら、本格的な事典を図書館で試すか購入を検討するとよいでしょう。

哲学用語を覚えるコツはありますか?

訳語だけを暗記せず、「誰が使ったか」「何を問題にした言葉か」「原語や語源は何か」を一緒に確認します。実際の哲学書で出会うたびに引き直すと、用語同士の関係も定着しやすくなります。

次に哲学の入門書と名著を選ぶ

用語を調べる準備ができたら、哲学のおすすめ入門書から最初の一冊を選ぶと読み進めやすくなります。原典にも挑戦したい場合は、哲学の名著おすすめ一覧も参考にしてください。

まとめ

  • 初めての一冊には、重要語を簡潔に確認できる『超訳「哲学用語」事典』
  • 語源と哲学史のつながりまで学ぶなら『語源から哲学がわかる事典』
  • 専門的な調査には『岩波 哲学・思想事典』を使い、購入前に図書館で試す方法もある
  • 用語は「意味・哲学者・問題意識」をセットで調べると理解しやすい
哲学の名著の数々をざっくり理解したい人にオススメの解説書

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