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「関東三観音」の1つ、高崎白衣大観音へ行ってきた
2023年3月12日の記事で、韮崎平和観音(山梨県)をご紹介しました。
この韮崎平和観音は「関東三観音」のうちの1つです。
「関東三観音」は、韮崎平和観音、そして大船観音(神奈川県)、高崎白衣(びゃくえ)大観音(群馬県)の3体の観音像を指します。
2024年4月2日、春の穏やかな気候のなか、この関東三観音のうちの高崎白衣大観音へ行ってきたので、ご紹介します。
高崎白衣大観音は高崎市街を見下ろす小高い山の上に立つ
山梨県の自宅から現地までは車で約3時間。
国道141号線を小諸方面へ北上し、長野県佐久穂町の八千穂高原ICから中部横断自動車道へ入り、上信越自動車道を吉井ICで出て、30分ほど北上すると、高崎白衣大観音に到着します。
途中、パーキングエリアで休憩をはさんだものの、長時間の運転で、若干、腰が痛くなりました^^;
高崎白衣大観音は、観音山という小山の上に立っており、現地へ近づくと、街中から、その姿を望むことができます。
観音山のくねくねとした道を上っていくと、大駐車場へ到着です。
80台くらいは停められそうな広さです。
駐車場からは、高崎市街を見下ろすことができます。
晴れていれば、筑波山まで遠望できるそうです。
ふと足下を見ると、大きな足跡が!
高崎白衣大観音の足の大きさに合わせて描いてあるようです。
乗用車2台分くらいの大きさはあったように思います。
高崎白衣大観音は巨大怪獣のようにデカいが、表情はやさしく愛深い
駐車場からは参道をてくてく歩いていきます。
両側にはお店が並んでいますが、平日ということもあってか、半分以上は閉まっていました。
一方、開いているお店はどこも軒先に、大小色とりどりのダルマがいっぱい並べられていました。
さすがダルマで有名な高崎ならではです。
ちなみに、群馬県はダルマの生産量が日本一なのだそうです。
参道を進んでいくと、徐々に観音像の姿が見えてきます。
〈デカいなぁ〉というのが率直な感想です。
建物のあいだから見えるその姿は、なにやら人間の世界に突然現れた巨大怪獣のようでもあります。
参道を500メートルほど進み、慈眼院というお寺の境内に入ると、巨大な観音像の全身が目の前に現れます。
足下から見上げると、その大きさに圧倒されます。
顔の輪郭はふっくらとしていて、やさしい表情です。
すべてを包み込む愛深さを感じます^^
観音像の足下には案内板が立っていて、観音像の簡単な概略を知ることができます――
白衣観音
(登録有形文化財)
昭和十一年、井上保三郎翁によって建立される。
高さ四十一・八メートルで当時は東洋一と言われた。息災・安産・子育ての仏様であるが何でも願ってよい。胎内は九階で、二十体の仏像が安置される。展望窓より関東平野、上毛三山、浅間山、信州の山並などが望める。
胎内には色とりどりでカラフルな20体の仏像は見応え充分!
高崎白衣大観音は、胎内に入ることができます。
観音像の足下の左側が入口となっています。
入場料は、大人(高校生以上)300円、小人(4才から中学生まで)100円です。
胎内へ入ると、少し急な階段が上の方へと延びています。
この階段を一歩一歩、上っていきます。
胎内は9階、観音像の肩の部分まで上っていくことができますが、案内板にも書いてあるように、その途中には20体の仏像が安置されています。
1階:普賢菩薩、文殊菩薩、大日如来、妙見菩薩、閻魔大王、虚空蔵菩薩、地蔵菩薩
3階:鬼子母神、阿弥陀如来
5階:飯綱大権現、摩利支天
6階:日蓮聖人
7階:弘法大師、不動明王、愛染明王、三宝荒神
8階:聖徳太子
9階:馬頭観音、釈迦如来、白衣観音
仏像はどれも彩色がほどこされ、カラフルなのが印象的でした。
陰になって暗く見づらい仏像もありましたが、どれも個性的な面々で見応えがあり、楽しめました。
気になったのは、多くの仏像の前に「らくがき厳禁」の札があったことです。
まさか格子で守られている仏像に落書きする輩はいないでしょうが、若者が立て札や壁に相合い傘や願いごとでも書いていくんでしょうか?
不届きな行いはやめましょう。
因果応報でめぐりめぐって、自分になんらかの形で戻ってきますから(笑)
それにしても、ふだん9階まで階段を上るということはないので、さすがに息が切れました(汗)
いい運動になります^^;
壁面に設けられたのぞき窓からは、遠方の景色を望むことができます。
観音像はいつもこの景色をながめていると思うと、うらやましいかぎりです(笑)
階段の途中には、仏像の他にも、建設当時の様子を描いた絵がかかっています。
現代のように最新のクレーンや重機がないなかで、建設がいかに大変だったかを窺い知ることができました。
高崎白衣大観音は戦後の大観音像の原型。マニア必見!
胎内からの出口は、観音像の後ろ側になります。
見上げると、巨大な背中が目の前に。
ところどころにのぞき窓がついているのが見え、〈けっこう高いところまで上ったんだな〉と実感しました。
改めて見上げてみると、観音像は曲線的な体型で、しなやかな指をしています。
白い像ということもあり、女性的な美しさを感じます。
表情も母のようなふくよかさです。
よく観音に性別はないと言われますが、この高崎白衣大観音は明らかに女性のイメージです。
〝巨大母〟です!(笑)
実際、『観音像とは何か』によると、観音像の原型を制作した工芸家の森村酉三(とりぞう)は法隆寺の百済(くだら)観音像と妻の姿を元にしたと考えられているそうです。
また、本書には、昭和11年(1936年)に創建された高崎白衣大観音が、すでにご紹介した韮崎平和観音をはじめ、戦後の大観音像の原型となった可能性が示されています。
あなたが巨大仏、とりわけ大観音像好きであれば、その起源となったと考えられる高崎白衣大観音を1度は見ておくことを強くオススメします♪